MARK-X赤道儀のウォームギア調整 ― 2011年11月23日 23時27分47秒
自作のモータードライブの開発のついでにMARK-Xのウォームギアの調整の仕方を取り上げます。
オークションで手に入れる人も多く、適切な状態で使用されていない場合に調整が狂っている場合を想定しています。
基本的には各社モータードライブにも同じ問題があります。
但し、モータードライブ内蔵の機種の場合、ここで書くことは余り適用できないとは思います。
なお、ここで書くことの実践は自己責任でやってください。調整する前より悪くなった時に最悪メーカにオーバーホールに出す位の覚悟を持ってください。
想定問題:正常に追尾が出来ない
オークションで手に入れる人も多く、適切な状態で使用されていない場合に調整が狂っている場合を想定しています。
基本的には各社モータードライブにも同じ問題があります。
但し、モータードライブ内蔵の機種の場合、ここで書くことは余り適用できないとは思います。
なお、ここで書くことの実践は自己責任でやってください。調整する前より悪くなった時に最悪メーカにオーバーホールに出す位の覚悟を持ってください。
想定問題:正常に追尾が出来ない
モータードライブが故障しているのかどうか、まともに駆動しているのかどうかの切り分けはまずは制御物の末端から確認します。つまりこの場合はMARK-X赤道儀のウォームギアです。
ウォーム軸を手で回してみます。この時、クランプは締め付けておきます。手で回せないような状態ならそもそもモータードライブでも回せません。手で回せないような状態でモータードライブを使わないでください。故障します。
手で回してみて均一に回せるようであれば特に調整の必要はありません。力の入れ加減というか「きつさ加減」が変るようであれば調整した方がいいかもしれません。
必要な工具はプラスドライバ、マイナス精密ドライバ、10番のスパナ。写真にはありませんが、モンキースパナかプライヤでも構いません。
ケース1:全く手ではウォーム軸を回せない
ウォーム軸部分を全てとりはすします。まず、大き目のナットがありますが、これをスパナで緩めます。次に真ん中のプラスネジをはずすとウォーム軸全体が取り外せます。ギアを痛めないようにクランプは緩めてから作業を行ってください。
取り外した状態が以下です。
チェックその1
ウォーム軸をはずした状態でクランプを締めて手で極軸(または赤緯軸)を回してみます。回らなければ元に戻してオーバーホールを依頼してください。自分では対応出来ません。
チェックその2
取り外したウォーム軸を手で回してみてください。回らなかったりきついようであればこの部分にまずは問題があります。ウォーム軸の調整のためにイモビスを緩めます。イモビスは以下の写真で示す位置にありますが、ロットによっては反対側にもあります。調整に必要なのは以下の写真で示すイモビスです。
大き目のスパナがあればいいのですがなければ以下の写真のようにプライヤで緩めます。必ずイモビスを緩めてからやってください。緩めてウォーム軸が回るようになれば左右にがたつきが出ない程度の位置で固定します。位置を決めたらイモビスを締め付けます。
以上のチェック以外でウォーム軸が回せないケースはウォーム軸とウォームホイルが全く遊びがない状況で接触していることが原因です。調整の仕方は次のケース2の調整と共通です。
ケース2:ウォーム軸が滑らかに回せない、きつい
ウォームホイルとウォーム軸のクリアランスと傾きの調整をします。
まずは役割を理解します。完全に分解する必要はありません。説明のために完全に分解しました。
以下のナットは最終的な固定のためのものです。調整時には緩めるだけで構いません。このナットは調整機構を担っていません。
ウォーム軸部分の真ん中のプラスネジ(以下の写真では左端)は引きネジでの固定の役目です。クリアランスや傾きの調整は2本のイモビスの役割になります。
調整その1:回転がきつい場合
真ん中のプラスネジを少し多めに緩めて、イモビスを左右均等量だけ締め付けます。これでウォーム軸とウォームホイルの遊びが増えます。この状態で再度真ん中のプラスネジを締め付けてウォーム軸を回してみます。ムラがあるようならウォームホイルとウォーム軸が垂直に接していないことを示しています。
調整その2:回転がゆるすぎてクランプを締めて手で極軸(または赤緯軸)を回すとガタガタが多い場合
遊びが多すぎるので真ん中のプラスネジを軽く緩めてイモビスも均等に緩める方向に回して再度真ん中のプラスネジを締め付けます。最初にプラスネジを緩めるのはイモビスを緩めるための精密ドライバの力を弱めるためです。
調整その3:回転にムラがある場合
真ん中のプラスネジを軽く緩めて、二つのイモビスの片方を緩めて片方を締め付けます。締め付ける方がウォームホイルから離れて緩めるほうがウォームホイルに接近します。調整するたびにプラスネジで締め付けて手で回す感触を確かめる必要があるので地道な作業になります。
適当な状態になったら最終的には2個のナットを締め付けて感触を確かめます。問題なければここで終わりです。
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