多目的モータードライブコントローラの簡略操作説明 ― 2012年08月08日 08時52分51秒
■概要
PICマイコンを使ったモータードライブコントローラの簡略版操作説明です。
各社のPM型ユニポーラステッピングモータを使ったモータードライブのコントローラとして使用可能です。
単体コントローラの場合、五藤光学のDIN5ピン仕様、ビクセンのDIN5ピン仕様、ビクセンのDIN8ピン仕様に標準対応できます。その他の仕様でも適宜対応可能です。
■電源
以下はコントローラ内蔵一体型のMARK-X用モータードライブのDCジャック部分です。
PICマイコンを使ったモータードライブコントローラの簡略版操作説明です。
各社のPM型ユニポーラステッピングモータを使ったモータードライブのコントローラとして使用可能です。
単体コントローラの場合、五藤光学のDIN5ピン仕様、ビクセンのDIN5ピン仕様、ビクセンのDIN8ピン仕様に標準対応できます。その他の仕様でも適宜対応可能です。
■電源
以下はコントローラ内蔵一体型のMARK-X用モータードライブのDCジャック部分です。
電源電圧は直流12V供給が基本です。
9Vでも動作しますが、増速時にトルクが足りずに脱調する場合があります。
逆に言えば12V以上の電圧、例えば15V供給すればトルクが上がるということになります。
但し、最大でも15V程度を推奨します。
トルク重視ならば12V~15V供給。乾電池駆動で増速操作はせずに写真撮影だけ行うのであれば9V供給というように使い分けることができます。
冬場でトルクが心配ならば15V供給で常用するというようなことは可能です。
■消費電流と発熱
以下、電源電圧が12Vで恒星時駆動の場合の消費電流の目安です。
LEDとPICマイコンの消費電流は加味しておりません。
MT-1用のコントローラは電流制限用の抵抗を接続していますのでケースの発熱が多めになっていますが触れないほど熱くはなりません。それ以外の単体コントローラは電流制限用の抵抗は接続していないため発熱はほとんどありません。
MT-1用コントローラの相単位の電流制限用抵抗値はType1の場合100Ω、Type2の場合75Ωです。
モータ本体の相抵抗が20Ωですので総合的な抵抗値はType1で120Ω、Type2で95Ωです。
これにより相当たりの消費電流はType1で100mA、Type2で126mAとなります。1-2相励磁でのトータルの消費電流はこの値を1.5倍してください。
特に断りのない限りType1でご提供しております。
※(2014年4月28日追記)
MT-1用のコントローラは電流制限用抵抗器を取り付けて提供していましたが、今後はUSB経由での5V電源供給を標準とします。このコントローラでの駆動電圧範囲は5V~9Vとします。5V電源時の相当たりの消費電流は250mAです。このコントローラではモーターの発熱は高くなりますが、コントローラの発熱はほとんどありません。9Vでの消費電流は450mAとなります。12Vでも動作しますが消費電流は600mAとなり、トランジスタアレイの定格最大電流である500mAを超えますので壊れる可能性があります。
ビクセンMD-5用コントローラの消費電流は1相当たり120mAで1-2相励磁トータルで180mA程度です。MD-5で使用されているモータの相当たりの抵抗値が100Ωであることから導き出されます。
五藤光学MARK-X赤道儀用のコントローラの場合は純正モータの仕様により相当たり120mA、1-2相励磁トータルで180mA程度の場合と相当たり85.7mA、1-2相励磁トータルで130mA程度の場合があります。
コメットトラッカーセット品のモータの場合には消費電流が多めになる相抵抗100Ωの仕様のモータが使われています。P型モータードライブとのセット品のモータの相抵抗は140Ωです。
五藤光学MARK-X用の一体型モータードライブの場合は150mA程度の消費電流です。
本コントローラの回路設計上は電源電圧に比例して消費電流が多くなり結果としてトルクも高くなります。
■スイッチ
コントローラには以下のスイッチがあります。
・DIPスイッチ
・FASTスイッチ
・STOPスイッチ
FASTスイッチとSTOPスイッチの機能は以下のようにリモートスイッチ用ジャックにも出ています。
MT-1用のコントローラは電流制限用抵抗器を取り付けて提供していましたが、今後はUSB経由での5V電源供給を標準とします。このコントローラでの駆動電圧範囲は5V~9Vとします。5V電源時の相当たりの消費電流は250mAです。このコントローラではモーターの発熱は高くなりますが、コントローラの発熱はほとんどありません。9Vでの消費電流は450mAとなります。12Vでも動作しますが消費電流は600mAとなり、トランジスタアレイの定格最大電流である500mAを超えますので壊れる可能性があります。
ビクセンMD-5用コントローラの消費電流は1相当たり120mAで1-2相励磁トータルで180mA程度です。MD-5で使用されているモータの相当たりの抵抗値が100Ωであることから導き出されます。
五藤光学MARK-X赤道儀用のコントローラの場合は純正モータの仕様により相当たり120mA、1-2相励磁トータルで180mA程度の場合と相当たり85.7mA、1-2相励磁トータルで130mA程度の場合があります。
コメットトラッカーセット品のモータの場合には消費電流が多めになる相抵抗100Ωの仕様のモータが使われています。P型モータードライブとのセット品のモータの相抵抗は140Ωです。
五藤光学MARK-X用の一体型モータードライブの場合は150mA程度の消費電流です。
本コントローラの回路設計上は電源電圧に比例して消費電流が多くなり結果としてトルクも高くなります。
■スイッチ
コントローラには以下のスイッチがあります。
・DIPスイッチ
・FASTスイッチ
・STOPスイッチ
FASTスイッチとSTOPスイッチの機能は以下のようにリモートスイッチ用ジャックにも出ています。
以下のようにキヤノンのリモートスイッチをつなぐことができます。半押しでFASTで、全押しでSTOP操作になります。工作すればオートガイダー対応も可能です。
以下は本体のFASTスイッチとSTOPスイッチを含む各部の名称です。スイッチの色はケースの色と製造時の都合により変わります。
独立したコントローラの場合、DIPスイッチはケース内部の基板上にありますのでケースのふたを開けて設定変更する必要があります。
基板上にあるPICマイコン用のプログラム書き換え用コネクタにPICKit2などを接続することによりプログラム書き換えやEEPROMの設定値の変更が可能です。
FASTスイッチを押すと追尾方向に正転で増速します。最初は恒星時比2倍速で正転し、時間経過とともに増速します。最大速度は五藤光学純正モータで最大4倍速、ビクセン製MT-1で最大16倍速、その他モータでは最大8倍速です。
STOP スイッチは最初は停止操作ですが、時間経過とともに恒星時比1倍速逆転、2倍速逆転というように増速逆転します。五藤光学製 純正モータで最大2倍速逆転、ビクセン製MT-1モータで最大8倍速逆転。その他モータでは最大4倍速で逆転します。
STOPスイッチの最大速はFASTスイッチより1段階落としてあります。
なお、FASTスイッチとSTOPスイッチの両方が押されている場合はSTOPスイッチが押されているものとして動作します。
モードスイッチが3(月時モード),6(コメットトラッカーモード),7(赤緯コメットトラッカーモード)の時にFASTスイッチとSTOPスイッチを押したまま電源投入することにより各モードの恒星時比設定を初期設定に戻すことができます。
■動作モード
DIPスイッチの意味は以下です
製造時の都合でDIPスイッチの部品が異なる場合があります。
モード0
恒星時追尾設定
モード1
キングスレート追尾設定(恒星時比99.97%駆動)
キングスレート追尾設定(恒星時比99.97%駆動)
モード2
平均太陽時追尾設定(恒星時比99.73%駆動)
平均太陽時追尾設定(恒星時比99.73%駆動)
モード3
月時モード設定
初期ソフトウェア(2012年6月以前リリース)では平均月時(恒星時比96.35%)のみですが最新ソフトウェア(2012年7月リリース以降)では可変速制御(恒星時比95.4%~97.11%可変:初期値は96.35%)を行います。
可変速制御が可能なソフトウェアでは初期状態は平均月時設定である96.35%で駆動しますが、FASTスイッチを押すと恒星時比0.01%増速し、STOPスイッチを押すと恒星時比0.01%減速します。変更された恒星時比の値はEEPROMに記憶されて電源OFFしても消えません。
月時モード設定
初期ソフトウェア(2012年6月以前リリース)では平均月時(恒星時比96.35%)のみですが最新ソフトウェア(2012年7月リリース以降)では可変速制御(恒星時比95.4%~97.11%可変:初期値は96.35%)を行います。
可変速制御が可能なソフトウェアでは初期状態は平均月時設定である96.35%で駆動しますが、FASTスイッチを押すと恒星時比0.01%増速し、STOPスイッチを押すと恒星時比0.01%減速します。変更された恒星時比の値はEEPROMに記憶されて電源OFFしても消えません。
モード4
星景モード設定(恒星時比60%駆動)
モード5
赤緯モード設定
FASTスイッチとSTOPスイッチを押さない限りは駆動しません。
FASTスイッチを押すと正転で恒星時比2倍で駆動してSTOPスイッチを押すと逆転で恒星時比2倍で駆動します。
五藤光学純正モータ用のコントローラの場合は最大で4倍速まで増速します。ビクセン製MT-1モータ用のコントローラの場合は最大で16倍速まで増速します。それ以外のモータの場合は最大8倍速まで増速します。
モード6
コメットトラッカーモード設定
初期状態では恒星時駆動を行いますがFASTスイッチを押すと恒星時比0.01%増速し、STOPスイッチを押すと恒星時比0.01%減速します。変更された恒星時比の値はEEPROMに記憶されて電源OFFしても消えません。
なお、この機能は初期ソフトウェアでは対応しておりません。
モード7
赤緯コメットトラッカーモード設定
初期状態では恒星時比0.00%で設定されており駆動しませんが、FASTスイッチを押すと恒星時比0.01%増速し、STOPスイッチを押すと恒星時比0.01%減速します。変更された恒星時比の値はEEPROMに記憶されて電源OFFしても消えません。
なお、この機能は初期ソフトウェアでは対応しておりません。
コメント
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://kumikomi.asablo.jp/blog/2012/08/08/6535549/tb
※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。
※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。