リコーGRには赤い散光星雲撮影は無理2013年09月17日 18時30分18秒

リコーGRが発売されて予約してすぐに入手。
梅雨時の透明度の悪い空で撮影したところ無限遠ピント不良が判明して修理しました。その修理後の撮影テストでも透明度が悪い状態でした。
ピントは鋭い感じで満足していたのですが、どうも「赤の感度」が悪い。地味な発色でモノクロ写真のようだと思っていました。
ローパスフィルターレス仕様のGR。赤い散光星雲の写りに期待したいところ。この期待はK-5IIsなどの結果とも関連があります。

期待はずれの結果も透明度が悪いせいにしていたのですが、台風18号上陸、通過でのいわゆる「台風一過」の状況で再度の撮影テストを試みました。
しかし、月が大きいので赤道儀追尾での広角星野撮影はあきらめてテストしました。

■撮影場所:富士山の麓:富士ヶ嶺(ふじがね)
■赤道儀機材五藤光学MARK-X赤道儀+自作モータードライブ
■撮影日:2013年9月17日
■先に結論:リコーGRは赤い散光星雲の撮影の適正は全くなし。
■ローパスフィルターレスだけど赤外カットフィルターは強く効いているのでしょう。

1.固定撮影:インターバル合成(比較明合成)テスト
機能的には問題ないです。よく見ると赤いはずの小三ツ星の真ん中の星(M42)の発色が変ですね。青っぽいです。これは散光星雲なので赤っぽい色を期待するところ。
ワイコン使用。ISO400設定。15秒露出でインターバル合成撮影。

インターバル合成での写真で流星または衛星フレアが写っています。撮影条件同じ。撮影途中の合成結果も全て残せるので流星が流れた時刻範囲を絞り込むことが出来ます。M42はやっぱり赤くない。

天文薄明後夜明け直前までのインターバル合成モードでの写真。流星または衛星フレアが写っています。撮影条件は上記と同じです。単純に比較明合成撮影専用機としての可能性の提示。撮影途中の合成結果も全て残せるのでうっかり露出しすぎて真っ白になるという失敗はありません。その点に意味を見出せばGRは「使える」撮影機材にはなるでしょう。

2.固定撮影:インターバル撮影で大量撮影
これも機能的には問題ないです。本体のみでインターバル撮影できるのはやはり便利。ISO400設定、15秒露出を繰り返す。流星または衛星フレアが写っています。
M42はやっぱり赤くない。


3.GEOMA BORG45EDII+GLH20Dでのコリメート撮影(トリミング)

GRで撮影。ホワイトバランス設定も関連して緑っぽく写っていますが、APS-Cでの撮影結果でローパルフィルターレスの絵としては非常に不満。
ピントの甘さや、収差、フレアなどは光学系の問題なので評価から除外しますが、もう少し写って貰わないと・・・・
F2.8、ISO3200、60秒露出。
GEOMA BORG45EDII+GR

以下は上記の写真の色味を若干修正したもの。
GEOMA BORG45EDII+GR色味補正

比較の為に以下はGRD4での撮影。こっちのほうがずっと良い。感度設定も低いのでノイズもこちらのほうが少ない。
F1.9、ISO800、60秒露出。
GEOMA BORG45EDII+GRD4

以下は同じ赤道儀に同架したBORG 60ED+1.4XDG+E-PL5での直焦点での撮影。ISO6400、60秒露出です。APS-Cより小さいセンサーですがこっちのほうが感度設定の割りにノイズが少ない。
60ED+1.4DG+E-PL5

以下はBORGでの撮影機材。

GRのフードアダプタのM49のフィルターねじを利用してカメラアダプターに直結。49mm->52mmのステップアップリング使用して接続。GRD4の接続も同様手順。