お久しぶりのMARK-X赤道儀モータードライブ製造2021年09月20日 09時35分21秒

久しぶりに注文が入りましたのでモータードライブの製造記録です。

■仕様
・MARK-X赤道儀用
・一体型モータードライブ
・在庫の日本パルスモーター製MD-5もどきの1/300減速ギア内蔵モータを使う
・タカチMB-1で小型化

■PICマイコンのデータを変更
赤道儀の減速比やPICマイコンの水晶発振子周波数、モータの減速比などを
EEPROMに格納したタイマカウンタ値で定義変更できるところが自作ソフトのミソ。
PicKitで接続してEEPROM部分のみの書き換えでいろいろな赤道儀とモータに
対応できます。


EXCELで計算した減速比設定


PicKitのEEPROM設定

PICマイコン書き換え接続


■モーター在庫

モーター在庫

緑色のラベルのモータは五藤純正のP型モーターに使われているものを特注注文して
購入したもので在庫は2個です。
これは五藤光学にも在庫はないはずです。
純正モータを修理したい方はお早めに。

残りの7個はビクセンMD-5に使われているモーターの仕様に合わせてこちらも
特注注文したもので在庫7個です。
今回はMD-5仕様のモータを使います。
実は軸径が違うだけで取り付け寸法はどちらも同じです。
ところが日本パルスモーター製のこのモータの減速ギアは軸を水平位置で駆動させると
「カタカタ」音がする場合があります。
ギアの遊びの部分で歯車の配置によってかなり耳障りになります。
これは負荷をかけない状況で目立ちますが赤道儀に取り付けて実際の追尾中は
問題ないと判断しています。

ケース加工する前に駆動確認しているところが以下。
QC3.0対応のモバイルバッテリーとケーブルで12V供給で駆動OKです。
モーター駆動確認

■モーター取り付け加工
ケース加工の道具は基本的には以下。
電動ルータと手動ドリルとテーパーリーマーと写真にはないですがやすりのみ。
ケースには透明の梱包用テープを貼ってマジックで印をつけて加工します。
最初の一歩はモータの軸部分の穴あけ。
ケース加工の道具と最初の一歩

モーター取り付け加工は現物合わせで実施。
モーター取り付け穴加工完了

■基板取り付け加工
一枚の基板を型にしてケースの穴あけ加工を行います。
基板設計の段階でこのケースに取り付けることを前提にサイズを決めているので
ギリギリのサイズで合わせます。
基板1枚を型にしてねじ止めして型を固定


基本の穴あけ完了


スイッチ取付穴ギリギリで一旦取り付け

基板取り付け状態

■DIPスイッチ取付穴加工
一番面倒なのがDIPスイッチ取付用の四角い穴の加工。
まず電動ルータでたくさん穴あけしてから削ってアルミ部分を
抜きます。


ルータでたくさん穴あけ



ルーターで削ってアルミを抜いた



基板にDIPスイッチはんだ付けして現物合わせ


DIPスイッチ取付穴加工完了

■電源用DCジャックとリモートスイッチ用取り付け穴加工

DCジャック取り付け

リモートスイッチ用ジャック取り付け位置

リモートスイッチ用ステレオジャック取り付け完了

■製造完了
モーター固定と回転止めピン受け金具などを固定してすべての部品を取り付け完了。

モータードライブ製造完了品と回転止めピンと電源

現物合わせで穴あけしていますが、実際にねじ止めした時の微妙なずれでプッシュスイッチ取付穴部分
をやすりで干渉しないように修正したので上の部分が空いてしまいました。
なかなか完璧な製造はできないですね。
プッシュスイッチ取付穴が現物調整で少しずれたのは申し訳ありません。

■動作確認
MARK-X赤道儀に取り付けて動作確認します。

MARK-X赤道儀にモータードライブ取り付け


カメラでの追尾テスト


■撮影結果
OLYMPUS E-PL10とMZD ED75mmF1.8を使って撮影テスト。
まずは追尾しないオリオン。街中だし月明りがあるので露出には限界があります。
ISO200、F4、120秒露出です。サイズ制限対応兼ねてトリミングしています。

追尾なしオリオン


次は恒星時追尾結果。露出条件は同じ。
但し、極軸合わせしていないので赤緯方向に流れています。

120秒恒星時追尾オリオン


絞りをF5.6にして120秒露出結果は以下。

120秒恒星時追尾オリオン絞り込み