高級コンデジの天体写真撮影適性(機能編)2014年01月04日 04時03分29秒

比較的センサーサイズが大きく、レンズのF値も明るい、いわゆる「高級コンデジ」の天体写真撮影適性についてまとめます。

まず、「天体写真」の定義ですが、天体望遠鏡を使った撮影と星景写真撮影の両方を指します。もちろん、それぞれに必要な機能は異なりますし、ノイズ耐性などについても要求が異なります。
この検討には個人的に関心のない機種は省いています。
センサーサイズも1/1.7型以上のサイズの機種に限定しています。
また、2014年1月1日現在に新品購入できる機種と所有している(た)機種に限定した判断です。ちなみに、ニコンは思想的な理由により無視。

センサーの高感度・長秒ノイズ特性とかもここでは無視です。あくまでも「機能」についてのみの検討。

■共通要件
いずれにしても以下は共通項目です。
1.リモートスイッチまたはケーブルレリーズが使える
2.外部電源動作が可能である
3.MFが使えて無限遠位置が記憶できる。
4.バルブまたは長時間のシャッター速度設定が可能
5.インターバル撮影またはシャッター押しっぱなしでの永久連写が出来る

1.についてはバルブ撮影するにしろコリメート撮影で太陽を撮影するにしろ、必要なアクセサリーです。インターバル撮影機能が付いていても構いません。

2.についてはタイムラプス動画の素材撮影などで連写したい場合には簡単にバッテリの撮影可能枚数を超えてしまうし、冬場の低温度環境での運用を想定すると欲しい。特にミラーレス一眼や一眼レフで使われているフォーカルプレーンシャッターでのタイムラプス動画用素材撮影はシャッター寿命を著しく短くする要因となるため、コンデジでの撮影が適切です。したがって、一眼には不要でもコンデジには欲しい機能要件になります。

3.は無限遠設定があるのがベスト。コリメート時にもピント合わせ位置を固定したいので必須。

4.は星景撮影(固定撮影)や赤道儀を使った恒星時追尾撮影の場合に必要です。バルブの代わりにタイム露出が出来てもかまいません。

5.はカメラに付きっ切りだと他の観測や星見ができなくなるので必須。

上記の全ての要件を満たしているのはリコーGRDシリーズ、GRのみです。

ペンタックスMX-1は外部電源には対応していますがリモートスイッチは使えませんしインターバル撮影機能もありません。赤外線リモコンは使えるので赤外線リモコンを使った工作をすれば何とかなるかもしれません。無限遠設定が簡単に出来るのはリコーとペンタックスのみ。しかし、MX-1はバルブでの最長時間は30秒でISO感度は1600が上限に制限されるのが著しくマイナスポイントな一方でピクセルマッピング機能を持っているなど「ちぐはぐ」。リコー機と同等機能、マニュアルモードでの制限なし、インターバルタイマー機能追加などをファーム更新で対応してくれれば問題なくなるのですが、現状のままでは制限が多すぎますね。

オリンパスとソニーの現行機種は全機種外部電源動作に対応していません。※本体充電は外部電源動作とは言いません。
オリンパスXZ-2はMX-1とは裏腹にバルブの時間などは問題ないですが外部電源対応していない。でもXZ-2にもペンタックスと同様にピクセルマッピング機能ありです。

パナソニックDMC-LX5は社外品アダプタ経由でケーブルレリーズを使って連写モードにしても連写はできません。DMC-LX7は連写できるらしいですが現物未確認。永久連写できるのであれば一応共通項目はクリア。パナソニックは外部電源動作にも対応しています。

キヤノンPowerShot S120は外部電源にもリモートスイッチにも非対応。
キヤノンPowerShot G16は外部電源対応、リモートスイッチ対応でMFも使えるけど無限遠が記憶できない。一旦電源切ると夜中にMFで無限遠を目測であわせなおす必要があり再現性がない。MFと無限遠記憶についてはオリンパスもできないことを確認しています。

富士フィルムのXF1は外部電源対応だけどリモートスイッチは使えない。X20は外部電源対応で、X100(S)は外部電源非対応というちぐはぐさ。X20とX100(S)は昔ながらのケーブルレリーズに対応。どちらも永久連写は出来ませんしMFの位置記憶も出来ないようです。

■コリメート撮影要件
・フィルター取り付けが可能なメーカ標準のアダプタがあること

ユニバーサルアダプタを使えば全ての機種がコリメート撮影できますが、ここでは直結できることにこだわっています。
特定のショップ製特注アダプタの利用もここでの条件では除外です。
また、パナソニックDMC-LX7のフィルターアダプタは強度的に除外です。同様にソニーと富士フィルムも該当機種なし。
そういう意味で以下の機種が条件クリア。

・リコーGRDシリーズ
・リコーGR
・オリンパスXZ-2
・オリンパス Stylus1
・パナソニックDMC-LX5
・キヤノン PowerShot G16

但し、これにはさらに条件があって、ズームレンズの方がケラレなどの調整が出来るのでベターです。そういう意味で絞り込むとリコーGRDシリーズとリコーGRは除外されます。また、キヤノンPowerShotG16は望遠側でもフィルターアダプタとの関係もあって、全域でケラレが大きいことを確認しています。
ということで、以下が残ります。

・オリンパスXZ-2(現物未確認)
・オリンパス Stylus1(現物未確認)
・パナソニックDMC-LX5(ケラレがかなり小さくなる焦点距離あり)

■星景撮影追加要件
できればワイドコンバージョンレンズが使えると使い道が増えます。流星観測とか特に便利。
ワイドコンバージョンレンズが標準で用意されている機種は以下です。

・リコーGRDシリーズ
・リコーGR
・パナソニック DMC-LX5

■外部電源対応について
DCカプラ経由を含んでACアダプタからの電源供給で撮影動作可能であることが要件となります。ACアダプタが屋外で使えるのか?というツッコミもありそうですが、これは改造することが前提です。ACアダプタを直接使うのではなくケーブルぶった切ってDCプラグとDCジャックで連結するようにするのです。
こうしておくとACアダプタの代わりにDC電源を用意すると屋外でも長時間撮影が可能になります。MX-1と富士フィルムのACアダプタはケーブル切断の必要もなく、最初からDCプラグとDCジャックで分離する形になっています。また、富士フィルムはもともとDCカプラとACアダプタ本体が別売なのでDCカプラだけを購入することも可能です。でもでもそれぞれの価格が信じられない位高いです。