オトシモノ ― 2009年06月01日 04時33分47秒
最近時間のある私は録り溜めた映画やらドラマやらアニメやらを毎日観ています。
そんな中で観たWOWOW放送の「オトシモノ」。
日本のホラー映画ですが、ちょっとひどすぎる作品なので特別に書いてます。
後から調べてみるとこの映画はエリカさま(沢尻エリカ)の初主演映画だとか。小栗旬なども出ていてキャストは先読みで話題性があったのだと思いますが、脚本がひどすぎますね。矛盾だらけというか、テーマも何もあったもんじゃない。
おかしなところは以下。
事件が少ないのか多いのか分からない
被害者の一人だった定期券の持ち主(名前忘れた)の女の子どもが杉本彩だったという一つのオチがあったわけで、そうすると35歳くらいの設定だとしても35年前には事件は発生しなければならない。
映画では数日間の内に、長くても1ヶ月の間に3人は「オトシモノ」を拾っているので、そのペースで行くと年間36人の犠牲者が出ていることになる。それが35年だと実に1260人にもなってしまう。
洞窟の中の死体だかの状態の人間の数はそれ位には見積もれるので実際にはそれ位の人間が被害者になったのだとするとエライ騒ぎになるはずなのに、マスコミや警察を含めて誰も関心を寄せていない。
逆に洞窟の中の人間はオトシモノを拾った人間ではないのだとすると事件はそれほど発生していないことになる。だとすれば映画の被害者3人が短期間に「狙われた」理由があるはず。
磁気定期券の年代矛盾
私は自動改札関連の開発をした経験があります。その時の自動改札はZ80で制御してました。それが1989年の話。実用化されたのが1980年頃だと仮定して、自動改札で磁気定期券が使えるようになったのを映画に都合よく解釈してあげて1980年だとしましょう。映画の杉本彩が35歳だとしても現在が2015年ということになり未来の話になってしまいます。 それとも映画のオトシモノの定期券がいかにも磁気定期券を扱うケースに見えたのは見間違いか・・・・・
妹だけなぜ無事だったのか
エリカさまの妹だけがオトシモノを拾ったのに無事だったのはなぜなのか。意味不明。
板尾 創路はなぜ殺されたのか
これまた全く不明。
若槻千夏はなぜもああもしつこく狙われたのか
若槻千夏は車に乗っていたのに無理やり踏切内に押し込まれて電車と衝突して殺されるわけですが、なぜああもシツコク狙われたのかが全く不明。
若槻千夏のボーイフレンドはなぜ加害者の名前を知っていたのか
ブレスレット拾っただけで定期は拾っていない。いつ名前を知ることになったのか。なぜ、「気をつけろ」というメッセージを残せたのか。これまた全く不明。そもそもブレスレットは定期券を落とした女のオトシモノではなく、別の誰かのものだったはず。
というわけで、ホラー映画ならば謎を残したままで全く構わない設定にすればいいものをあえて突っ込みどころをたくさん残したということで全くの駄作と言っても良いでしょう。脚本家は、監督もやってるのか。古澤健って人ね。もう少し突っ込めないようにして欲しかった。
やっぱり、世界観としてはきちんと設計(設定)する必要がある。 被害者の選別ルールがオトシモノを拾うことだとしてもオトシモノが現れる条件とかきっかけが必要でしょう。その基本設計の下に話を進めないと矛盾だらけになる。
それを作り手側は把握しておいた上で限られた時間内で物語を表現すれば、例え作品中で具体的に不明なままでも突っ込めない物語にしかならないんだよね。
それから、この映画の設定だと最後はハッピーエンドではなく、謎を残したままの終わり方にしないとね。
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